ここでは美髪のために知っておいてほしいことや、パーマ・カラーへの当店のこだわりをご紹介しています。
目次
カラーをきれいに染めるには
カラーでよくある失敗
あくまで美容師の薬剤選択ミスや技術不足は除外したお話です。
思ったより暗くなったり、毛先だけが黒くなったりすることがあります。
この原因は髪は傷むとダメージホールと呼ばれる小さな穴があきます。傷むほどその穴の量は多くなるのですが、沢山あいた穴にカラーの色素が過剰に入ってしまうせいで毛先が黒くなってしまうからです。
この現象は縮毛矯正をされている方や、石鹸シャンプーを使っている方に特に多いです。
石鹸シャンプーのpHは10~12弱くらいです(中性は7)生体のもつタンパク質はこれに触れると簡単にアルカリ性に変性してしまいます。つまり石鹸シャンプーで髪を洗うとキューティクルが破壊されギシギシに傷むわけです。また水中の金属イオンと石鹸が反応して「石鹸カス」ができて金属アレルギーなどのアレルゲンを生成する危険性もあります。皮脂を分泌できない毛髪に石鹸は必要ありません。
パーマでよくある失敗Ⓐ 『思ったよりかからなかった』
あくまで美容師の薬剤選択ミスや技術不足は除外したお話です。
大きな原因⓵(タンパク変性)
パーマはタンパク質を変形させることでかかります。先ほどの石鹸シャンプーについてを読んで頂ければわかりますが、タンパク質が変性してしまった髪は当然パーマはかかりにくくなります。
髪のタンパク変質がおこる原因はこの他にも2つあります。1つは毎日アイロンやコテを使うと高温のアイロンの熱により毛髪のタンパク質が熱変性をおこしてしまうのです。生卵は形をいくらでも変えられますが、ゆで卵になったら変えられないのと同じです。
もう1つはシャンプーの洗浄成分でおこります。「ラウリル硫酸Na」という成分をシャンプーボトルのうしろで見たことはありませんか?
この成分は毛髪や地肌のケラチンなどのタンパク質を強力に変質させる性質を持っています。さらに分子が小さく毛髪内に非常に残留しやすい特徴があります。分子が小さいのでよく流してもなかなか落ちてくれません。
長時間毛髪内に滞在した「ラウリル硫酸Na」は毛髪や皮膚にまでダメージを与え続けてしまいます。変性したタンパク質は水と一緒に流れ出てしまったり硬化してしまうので、髪の栄養が無くなりパーマもかかりにくくなるわけです。
大きな原因⓶(シャンプーに含まれるシリコンが髪の表面をコーディングしていてパーマの成分が入らない)
近年ノンシリコンシャンプーがもてはやされていますが、これはこれで大きな問題があります。「ラウレス硫酸Na」や「オレフィンスルホン酸Na」などの安い洗剤で作られたシャンプーは軋(きし)みます。
その軋みをごまかすためにシリコン入りシャンプーが作られたのですが、美容意識が高まる中、家庭でも安価なノンシリコンシャンプーを、というメーカーのブームにより使用する方が増えました。しかし、ノンシリコンシャンプーにするなら高級な洗浄成分や毛髪保護成分を使ったものを作らないと軋みが出てしまいます。
そこでメーカーは「天然オイル」を入れるようになりました。
これは皮膜性の高い成分なので、パーマを邪魔するという意味ではシリコン入りと大して変わらないことになってしまいます。そればかりか洗浄成分が同じでシリコンを抜いたせいで、従来のシャンプーより髪が傷んでしまうことがおこってしまいます。
パーマでよくある失敗Ⓑ『思ったよりかかってしまった』
パーマは基本的に傷んでいる髪ほど弱い薬でかかり、健康な髪ほど強い薬が必要となります。なのになぜ失敗してしまうのか?
パターン①『毛先に縮毛矯正がしてある』
縮毛矯正の薬は美容室の薬の中でも一番強い薬です。そこに高温のアイロンをしてしまうので先ほど述べた熱によるタンパク変性がおきてしまいます。
パーマは1液をつけた後にカールが出ているかチェックをして、かかっていれば2液をつけてそれを安定させるのですが、矯正をしている髪では1液のチェックの段階でカールが出ないことがほとんどです。
そこで更に時間をおいてしまったり強い薬を足したりすることで思ったよりかかってしまったり傷んでしまったりすることがあります。矯正をされている方は元々クセがあるので、チェックは慎重にする必要があります。
パターン②『傷みすぎている』
毛髪がダメージを受けすぎると、濡れている状態で引っ張ると「ビヨ~ン」と伸びて簡単に切れるようになります。毛を濡らしたときにぬるぬるするようなコシのない髪は1液後のチェックでカールが全く出ません。カールが出ないので更に時間をおいたりすると、かかりすぎたりダメージが強く出てしまいます。
パターン③『傷んでいるのにシリコンやオイルで表面に皮膜ができていてパーマ剤が浸透しない』
このパターンは⓵や⓶のように重度のダメージではないので普通の弱い薬でかかるはずなのに、普段使用しているシャンプーに含まれるシリコンや天然オイルが邪魔をしてかからず、更に強い薬を使わないとキューティクルの中に薬が浸透せず結果的に必要以上に傷んでしまったり、かかりすぎてしまうことが原因としておこります。
ではどうしたらいいのでしょうか?
シャンプーの選び方
髪の傷み方もさまざまで
⓵ベトベトしてる感じでしっとりしている
⓶ひどく乾燥していて膨らむ
⓷細い毛で細かくビリビリしている
⓸コシが無く根元から潰れるのに乾燥している
その原因はカラーやパーマの施術が原因の1つでもありますが、シャンプーが重大な原因であることがほとんどです。どのようなシャンプーをお使いなのかお聞きすると多いのは
⓵通販でしか買えない特別なシャンプー
⓶ノンシリコンシャンプー
⓷石鹸シャンプー
意外なんですが市販の普通のシャンプーを使っている方は、パーマやカラーをしていてもそれほど傷んでいる方はいません。美容意識が高くてこだわりのシャンプーにしている方ほど傷んでいます。
簡単に書きますと、市販のシャンプーを使うならシリコン入りシャンプーを使ってください。ノンシリコンシャンプーを使うならサロン専売品を店頭や通販で購入しましょう。
市販のノンシリコンシャンプーがなぜダメなのかはこちら➡『原因⓶(シャンプーに含まれるシリコンが髪の表面をコーディングしていてパーマの成分が入らない)』
それでも市販のノンシリコンシャンプーを選びたい方は、ボトルのうしろの表示を確認して選んでください。アールミューのアメブロ『シャンプーの選び方 再改訂版』で詳しく書いています。
カラーの安全性について
ジアミンの危険性
ジアミンにアレルギーを持つ方がいます。そういう方はジアミンフリーのカラー剤がいいのですが、ジアミン無しのカラーは普通のカラーのようにしっかりは染まりません。トリートメントのように毎日つける事で少しずつ染まっていくような物が近年通販などでよく見かけられます。
このタイプは髪につけた履歴の長い毛ほど暗く染まるので髪を暗くしたくない方には不向きです。(毛先にいくにつれて暗く染まる)
私がジアミンにアレルギーのある方に一番オススメなのはヘアマニキュアです、マニキュアはサロンでやるなら毛先が黒くなることはありませんが、ご家庭でやる場合は毛先に薬がつかないように注意する必要があります(全体に1回で塗ると暗くなります)。
ヘアマニキュアのデメリットは、
①黒髪は明るくならない
②シャンプーするたびに色付きの水が出てタオルが汚れる
③毛先は別の色を塗らないと黒く染まる。
④パーマがかかりにくくなる
といった所です。したがって、ジアミンアレルギーがない方は普通のカラーを、ダメージレスで染めるならヘナかハーブカラーを選択するのがいいでしょう。
ヘナカラーの危険性
ヘナは安全なのかというと決してそうではありません。それどころか大変な目に合う可能性もあります。
20年程昔の話なのですが、アシスタントで働いていたお店でヘナカラーをしたお客様が翌日お岩さんのように腫れた顔でご来店されまして、結局ヘナアレルギーだったようです。ヘナのアレルギーは激烈なので植物アレルギーがある人はやめた方がいいでしょう。
更にヘナの中にはジアミンが入っている物もありますので、ジアミンアレルギーのある方は「そのヘナはジアミンフリーですか?」とサロンで確認することをオススメします。
当店ではヘナカラーはしておりません。
ヘナは1回ではしっかり染まらず何回も染める必要があります。インディゴを混ぜて数日後に発色するような方法もありますが、その時染まっていないのではお代を頂きたくないからです。なのでダメージレスで染めたい方にはハーブカラーをオススメしています。
こちらの方は、普通のヘアダイからハーブカラーに変えて毛先にヘナトリートメントをして3ヶ月で髪質改善されました。
当店のハーブカラーはヘナではない植物成分と漢方ハーブ(柿の葉・ローズマリー・カミツレ・セージ等)をベースに少しのジアミン(ジアミン濃度は0.5%以下)と穏やかな酸化剤でできております。
明るく染まる白髪染め
グレイカラーをすると暗くなるというのが昔は常識でした。グレイカラーの中には黒髪を明るくするブリーチ剤と、白髪を染める成分とピンクやアッシュなどに発色する成分が入っています。
明るく染まる薬はブリーチの量が多くなるので当然染料量は少なくなり、白髪が染まりにくくなります。白髪にしっかり色を入れようと思うと、塗料の量が増えるからブリーチの量が減って暗く染まるわけです。
当店のアンチエインジングカラーはアルカリ度が低く抑えてあるので低い刺激で、明るくしても白髪がよく染まるので好評です。
リタッチカラーのススメ
毛髪は死滅細胞です。一度傷んだらトリートメントをしようが何をしようが元に戻ることはありません。なので毎回毛先までカラーをしていると、どんどんダメージが重なってしまいます。根元の伸びた毛のみを染めるリタッチカラーなら毛先は全く傷みません。しかしピンクやオレンジやマットなど色味を楽しみたい方にはつまらないと感じるかもしれません。
色味の成分は白髪を染める成分よりも色持ちがとても悪く、1週間でほとんど抜けてしまいます。トリートメントと一緒にすると色持ちが良くなりますが、これには実は大きな弊害がありますので後で述べます。
1週間でなくなってしまう色のために毎回髪を傷ませる必要があるでしょうか?
そうは言っても何ヶ月もたつと毛先が褪色(たいしょく)して明るくなってきます。そういう時はヘナやハーブカラーで毛先を暗く落ち着かせれば、毛先はダメージレスで毎回カラーで傷むのは根元数センチだけということになります。
色を楽しみたいという方は、これらのことが分かった上で毎回いろんな色に染めるなら、それも自由だと思うので否定する訳ではありません。
トリートメントの危険性
トリートメントをして髪質がよくなったような気がしても次回美容室に行く時には元の髪に戻っていませんか?世の中のほとんどのトリートメントは髪の表面を油膜や皮膜でコーティングをしています。実はそのコーティングが剥がれて元の髪に戻ってしまっているだけなんです。
特に危険なのはカラーやパーマをした時にトリートメントをすることです。
カラーやパーマには髪に有害な、アルカリや未反応の還元剤(髪の結合を切る薬)や酸化剤が使われています。それらは美容室で出来るだけ中和する薬をつけて後々ダメージがでないようにしますが、完全に除去できるわけではありません。
お家に帰ってシャンプーをすることで少しずつ完全に無くなっていくのですが、トリートメントでコーティングしてしまうと、それらを髪の中に閉じ込めてしまうことになり、ダメージを促進する結果になりかねません。いらない物はどんどん流してしまうことが必要なのです。
ヘナトリートメントのススメ
そこでオススメなのがヘナトリートメントです。髪はダメージを受けるとダメージホールという穴がたくさん空きます。ヘナのローソンという成分(ヘナの粒子)がその穴を埋めてくれるので髪密度がアップします。
更に髪がパサついて膨む原因は毛髪一本一本がダメージをうけると膨潤(ふくらむ)することが原因なのですが、ヘナのタンニンという成分が膨潤した毛を収斂(ひきしめ)してくれるので、バサバサ膨らむ髪が収まってくれます。
今まで色々なトリートメントを使ってきましたが、そのお客様が次回ご来店される時には元の髪に戻ってしまっていることに強い疑問を感じていました。
下の写真をご覧頂けると分かると思いますが、こちらの方は すごいダメージのロングヘアでした。2ヵ月に1回ヘナトリートメントをして1度もカットなしで6ヶ月後にこれだけ髪質が改善されました。
こちらの方は根元をハーブカラー、毛先をヘナトリートメントに変えて3ヶ月で髪質が改善されました(ご家庭でのシャンプーも変えて頂きました)。
くせ毛はパーマいらずのお得な髪
縮毛矯正やストレートをされている方のほとんどがカットでクセをいかすようにすれば必要のない方ばかりです。ストレートや矯正の薬は美容室にある薬で一番強い部類で、そのうえ高温のアイロンをするわけですから髪はかなりのダメージを受けます。
根元をストレートにして毛先だけパーマをご希望されることもありますが、先ほど書いた理由(パーマでよくある失敗Ⓐ)からパーマは思ったようにはかからないのが現実です。
毛先が丸まるようにアイロンしてもそれほど丸くはなりませんし、内巻きに入った部分の毛をカットしてしまうとまっすぐになってしまいます。
矯正やストレートは薄毛の原因
ダメージのある髪はひっかかりますよね。その瞬間、毛が毛根から抜けてしまうことがあります。手ぐしを通して落ちた毛を見てください。必ず毛根がついています。毛が切れている事って実はめったにないんです。
眉毛を抜いていると、だんだん生えてこなくなることと同じで毛髪も抜け続けると生えてこなくなります。長年矯正を続けている方はフェイスラインの毛が薄くなっている方が多いように感じます。
自分なりの美を見つけよう
くせ毛は親からもらった素敵な贈り物だと思います。「こうなりたい」という髪型に無理やり近づけるよりも、自然な髪でキレイにいられる形を見つけることができたら、髪質も良くなるし、それがあなたの「美」になると思います。自分の本来の髪で作った髪型が似合わない訳ありません。勇気を持って新しい自分を見つけてみませんか。